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高齢の親が住む実家の風呂の危険をなくそう

実家の風呂
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高齢の親が暮らす実家には多くの危険がひそんでいます。その代表がお風呂です。若い人にとっては大きな危険を感じないお風呂ですが、年をとった人にとっては、さまざまなリスクが存在します

疲れを癒しリラックスするために毎日入るお風呂は、そこに危険が潜んでいることを忘れがちです。高齢の親が住み慣れた実家であれば、なおさらです。

実際の統計を見ながらお風呂に潜む危険を明らかにし、高齢の親のために何ができるのかを考えていきます。

事前に危険を察知し、早めに対策を打つことで、高齢の親が安全に暮らせる実家を作りましょう。

パパさん

実家に帰るとお風呂に入るのが嫌なんだよな。タイル張りの床は冷たいし、窓から冷気が入ってきて寒いし、浴槽は深いし

ママちゃん

そうね私も苦手。うちの実家は両親が忙しくてほとんど掃除してないから、水垢やぬめりで汚いのがイヤ

パパさん

それに、君のお父さんは、晩酌後に酔っ払って入浴することが多いから危険だよね

うるる君

2人はあまり感じないかもしれないけど、老人にとってお風呂はとても危険な場所なんだ。何が危険なのかを知って、対策を打っておくことが必要だよ

死亡に直結するリスク(危険)

東京都福祉保健局の発表によると、東京23区で死亡直前の行動が入浴中」であった事例は、2019年は1,494件で東京との異状死案数の1割を占めています。

年齢別にみると次のグラフの通りで、60歳以降に急激に増えていることが分かります。

出典:東京都監察医務院 東京都23区における入浴中の死亡者数の推移 入浴中の死亡者の推移を元にグラフ化

病死

「病死」とは病気が原因であるものを指し、心筋梗塞、高血圧症、脳血管疾患などを指しています。

入浴という行為によってもたらされる血圧の変動が「脳出血」や「心筋梗塞」の引き金となります。

溺死

「溺死」とは浴槽内での吸水が原因であるものを指します。

飲食・飲酒後や精神安定剤・睡眠薬などの服用後の入浴で意識障害が起こり溺死するケースなどがあります。

浴槽内で熱中症となり、発汗により脱水症状をおこし意識障害を起こす可能性もあります。

その他

「その他」とは病死・溺死に該当しないものを指します。

ヒートショックや湯船での熱中症など外因(温度)が原因で引き起こされるものや、すべって転倒するなどした事故死などが含まれます。

死亡のリスク(危険)を回避する方法

リスク(危険)回避の方法と、回避が必要な理由

入浴中の死亡を避けるためには次のようなことが有効と言われています。「親はそんなことわかっている」と思わないで、改めてきちんと注意を促す必要があります。

回避する方法回避が必要な理由
食後すぐ(30分~1時間程度)や飲酒後の入浴を避ける食後は消化器官に血液が集まり、平常時より血圧が低くなるため
精神安定剤、血圧降下剤、睡眠薬などの服用後には入浴しない精神機能・運動機能に障害が起き、動作などに異常が出る恐れがあるため
血圧が安定している時間帯に入浴する夕方7時頃までに入浴するとよいと言われる
心筋梗塞、高血圧症、脳血管疾患などの持病のある人は、より一層気を付けて入浴する入浴による血圧変動によるリスクが大きいため
体調不良時には入浴しない
脱衣場、浴室内の温度調整に気を付ける温度変化により、大きな血圧変動が起がきるため
特に気温の低い冬場の入浴時には気を付ける外気との大きな気温差が、急激な血圧変動を起こすため
特に一人暮らしの高齢者は気を付ける緊急時に助けを呼べないため
熱い湯での入浴や長風呂は危険がますの特に注意する大きな血圧変動が起がきるため

入浴時に血圧が上下するメカニズム

入浴時に、寒い場所と暖かい場所を移動すると上の写真のような急激な血圧変動が起こります。この血圧の変動が、さまざまなリスクを引き起こしますので、きちんと理解して気を付けることが必要です。

【寒い場所】寒さに反応して体から熱が奪われないように毛細血管が収縮。血圧が上昇し血のめぐりが悪くなる


【暖かい場所】浴槽に入り熱い湯に触れると交感神経の緊張のため、急激に血圧が高くなる。肩まで入ると心臓にかかる負担が大きく、更に血圧が高くなる

【暖かい場所】浴槽内で体があたたまると血管が拡張し血圧は急激に下降する


【寒い場所】浴槽から出ると、体が冷えるので熱を奪われないように再び血管が収縮する。すると、再び急激な血圧上昇が起きる

血圧変動のリスク(危険)を減らすための対策

入浴時のリスクの多くは、血圧変動が大きく関係していることが分かります。

血圧が高い高齢者は入浴時の血圧上昇により脳出血のリスクが高まります。また、浴槽内で血圧が急激に下降すると血流が悪くなるのに加え、入浴による発汗のために血液の粘度が増して血管がつまりやすくなります。これにより心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクが高まります。

特に気を付けることは場所によって異なります。高齢の親でも行えるような対策を、早めに取ってあげることが必要です。

脱衣場浴室浴槽
入浴前に家族に一声かける
(離れて暮らす家族には電話・メールなど)
浴室を温め、浴槽との温度差を少なくする
(浴室暖房器具ON、浴槽のふたを開ける・シャワーでお湯を流すなど)
41℃以下に設定する
(38-41℃)
入浴前に水分を取る
(熱中症予防)
掛け湯をしてから入浴する湯船につかる時間は10分以内
脱衣場を温め、浴室との温度差を少なくする
(暖房器具ON)
浴槽からに立ち上がらない
(立ちくらみ予防)

怪我をするリスク(危険)

入浴時の転倒

体が不自由になってきた高齢者にとって、お風呂は危険な場所です。特に築年数のたった一戸建てのお風呂には、お年寄りが安心して入浴するための設備が付いていない場合が多くあります。

高齢の親が安心して入浴するためには、後付けで介護用品などを付ける必要がありますが、介護用品を取り付ける時にも細心の注意が必要です。

風呂場の介護用品は何よりも安全性が第一です。そのため、介護保険を使ってレンタル・購入することをおすすめします。介護保険を使うと、介護業者が実家の風呂に合ったものをしっかりと取り付けてくれます。

パパさん

我が家では風呂場にいろいろな介護用品を設置しました。最初の頃は介護用品に助けられましたが、次第に体が不自由となり、今では危なくて家のお風呂には入っていません

ママちゃん

ちょっとしたことでも大事故になっちゃうから、お風呂は本当に怖いわ

うるる君

お風呂の危険が大幅に減らせるから、実家の風呂にはできるだけ早めに介護用品を付けた方がいいよ

介護用入浴いす(シャワーベンチ)

背もたれやひじ掛けが付いた「介護用入浴いす(シャワーベンチ)」は、体を洗うときの姿勢が不安定になる人や、いすからの立ち座りが難しい人に向いています。通常の風呂用いすよりも高さがあり、背もたれやひじ掛けがあるため、姿勢を保持しやすく、立ち座りも楽にできるメリットがあります。

浴槽用手すり

またぎ動作を安定させるために、浴槽の縁を挟み込んで固定する手すりです。上の写真では、赤い部分を握って出入りをしますが、体が不自由な年寄りの場合、寄りかかるためかなりの力がかかります。既存の浴槽に後付けしますが、浴槽に傾斜があったり、段差があるデザインの場合、取り付けが不安定になることもあるので注意が必要です。

浴槽内いす(浴槽台)

浴槽の中に置いて腰掛けることで、姿勢の保持や立ち座りが楽になります。また、洗い場の床よりも浴槽の底が深い場合、浴槽内いす(浴槽台)を設置することで床との高さを合わせ、浴槽をまたぎやすくすることができます。

入浴台(バスボード)

立った状態で浴槽への出入りが難しい人のための用具です。入浴台(バスボード)に腰を下ろし浴槽をまたぐことで転倒を防止します

入浴用マット

洗い場、浴槽はすべりやすく転倒しないか不安です。すべり止めマットを敷いておけば、安心して安全に移動ができるようになります。

お風呂清掃時の怪我

もう一つ気を付けなければならないことがあります。それはお風呂掃除です。入浴時にころんで怪我をすることは想像できますが、お風呂掃除のときにも意外と怪我が多いのです。

お風呂掃除で起きた怪我には次のようなものがあります。親と情報を共有して、お風呂掃除時にも気を付けるようにしてもらいたいものです。

お風呂掃除で気を付けること

・お風呂用洗剤ですべって転ばないように気を付ける
・天井や壁を掃除しようとして浴槽のふたや脚立などに上らない
・塩素系洗剤が目に入らないように気を付ける
・洗剤が混ざると化学反応で有毒ガスを発生することがあるので気を付ける

パパさん

住み慣れた実家だから大丈夫だと考えちゃいますが、歳をとると気づかない内に体が不自由になっていきます。ちょっとした事故でも大けがにつながりかねないお風呂は、最も気を付けてあげるべき場所です