親との関係がうまく行かないのには、人それぞれいろいろな原因があります。この記事では、親との関係を改善するための方法として、過去の出来事を自分の中で書き換えることを提案していきます。
あ~あ 今年の年末年始はどうしようかなぁ
親からは「帰省しないの?」と聞かれてるけど、親は苦手なんだよなぁ
実家を離れてもう何年もたつけど、まだ苦手なの?
ご両親とも優しくていい人たちじゃない?
昔いろいろとあってね
どうしても苦手意識が抜けないんだ
ふ~ん そうなんだ
もういい歳なのにね
パパさん
どうしてご両親に苦手意識を持っているか考えたことある?
大人になった今の段階で自分の気持ちに向き合ってみると、意外と簡単に気持ちの整理がつくかもよ
目次
今の関係性をつくった、過去にあった出来事を思いかえす
親に対する感情は人それぞれです。「親」とGoogleで検索すると、マイナスの言葉が並びます。このマイナスな気持ちはどのようにして出てきたのでしょうか。
親 うるさい
親 嫌い
親 うざすぎ
親 しんどい
親 めんどくさい
親 イライラする
親 ムカつく
親 憎い
親 許せない
まずはその原因を特定する必要があります。
自分の気持ちの裏に隠れた過去の出来事
今抱いている気持ちの裏には、過去の出来事がいくつも隠されています。その内、自分の中に強く残っている出来事を思い出してみましょう。
パパさんの心には次のような「嫌な思い出」が強く残っていました。親を苦手と思う裏には、これらの過去の出来事がトラウマになっていたのです。
母親はいつも兄貴のことばかり大切にしていて、自分にはほとんど構ってくれなかった
親父は会社の帰りに飲んで帰ることが多く、親父との思い出はほとんどなかった
親父は「勉強しろ」「努力しろ」とばかり言って、私のやりたいこと(好きなサッカーなど)をすることに反対した
新築中の家の2階で遊んだ後に、架けてあったはしごで1階に降りようとしたら、そのはしごが外れ、私ははしごと共に落下した。その音を聞いた親父が跳んできて「ガラスは大丈夫か!」と私ではなく玄関のガラスを心配した
「大人」になった今の立場で考え直してみる
しかし、これらの「悪い印象」は、自分が子供の頃に受けたものです。
そこから長い時間が経ちましたが、自分の奥深くに刻み込まれたこのイメージは一向に変わっていませんでした。というより、思い出して傷つくのが怖くて、ずっと触れずにいました。
そのため、親との関係はずっと苦手なままだったのです。
しかしパパさんは、子供に対してこのようなトラウマを植えつけた頃の「両親の年齢」をすでに超えています。いろいろな人生経験を経て、当時両親が抱いていた立場を想像できるようになっていました。
そして、持ち続けてきた「嫌な思い出」に向き合った時、これまでとは違う風景が見えてきたのです。
母親は同居していた姑にいつも辛くあたられていた。その姑は初孫である長男を溺愛しており、母親も兄を大切に扱わなければならない状況だったのだろう。姑は自分の長男と次男を子供の頃に病気で亡くしていた。おそらくそれが原因で、長男というものに執着していたのだろう
親父はパーキンソン病で母親の手助けがなにもできない状態。それでも母親に対して「誰のおかげで食わせてもらえてるのだ」と今になっても言う。親父は家族を養うためにそれほど必死で仕事をしてきたのだろう。仕事後も飲みに行っていたのは仕事で必要だったからだろう。当時はそういう社会だったのだろう。
親父は自分に対して「努力しろ」とあれだけ言ってた人なのに、必要なリハビリをしなかったため今ほとんど歩けない。自分が「努力」できない人だったのだ。自分ができていないことだったからこそ、子供に対して「勉強しろ」「努力しろ」とその大切さを言い続けていたのかもしれない。
家族のために「自分の家」を建てることが親父の「念願」であり、そのために一生懸命働いた。だからこそ、とっさの出来事に子供ではなくガラスを心配する言葉が出てしまったのだろう。しかし、この発言に傷ついた子供を見て、後悔の念も持ったのだろう。
受け入れて許すつもりで、出来事を再整理する
これまで避けてきた過去の「嫌な思い出」に向き合ったら、いつの間にか「許せる気持ち」になっていました。というより、心の中には「自分が納得して、親を許したいという気持ち」がずっとあったようです。
だからこそ、自分を納得させるイメージにたどり着けたのです。
当時の親の状況や気持ちが、本当に自分がイメージしたようなものだったのかは分かりません。それを正しく知ることもできません。
だからこそ、大人になった自分が納得するように、親を許せるように過去の出来事を整理すればいいのです。
今とこれから先の状況を考える
高齢化した親の状況を理解する
自分がいくつになったとしても、自分の親はその数十年先を進んでいます。高齢になった親の体は、経験していない我々が思っているより「劇的」に衰えていきます。
・脳・記憶力の衰え
・臓器・筋肉・血管の衰え
・体力の衰え
・感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)の衰え
・神経(運動神経・自律神経など)の衰え
40代、50代になって自分の体に衰えを感じてきた人も多いのではないでしょうか。しかし、高齢者になった親の衰えはその比ではありません。
この先いつまで一緒にいれるのかを想像する
両親と離れて暮らしていると、日々の様子が見えません。しかし、高齢となったことによる体の変化は日々の生活に現れてきます。
それは、何十年も遅れて人生を生きている子供には、想像も理解もできないものでしょう。何かあったとしても「子供に心配かけたくない」と子供に伝えない親は多いとも聞きます。
しかし、親が入院すれば、これまでのような暮らしが送れなくなるかもしれません。頭がボケてきて会話が成立しなくなるかもしれません。親が生きていたとしても健康でなければ意味がありません。
その時になって後悔しても遅いのです。
最後に
大人になって親の立場や気持ちが分かるようになってくると、過去の「嫌な思い出」は徐々に消えていき、親との不仲は次第に解消されていくものです。
しかし、その速度には個人差がありますし、すべての人が不仲を解消できるとは言えません。
とはいえ、すべての人に等しく、「親との死別」は訪れます。
「親孝行したいときに親はなし」
後悔する人生を送る前に、今すぐにでも自分の身に起きた過去の出来事を直視してみてください。そうすれば親との関係を再構築するきっかけになるはずです。
なんだかすごく気持ちが楽になったよ
ありがとう うるる君